総務省の発表によると子供の人口は35年連続で減少し、日本の人口に占める15歳未満の子供の割合は42年連続で低下しているそうです。
 
 子供の割合は人口が4千万人以上の国の中では最低で、ドイツの13.1%を下回る12.6%だったそうです。
 
 平成28年4月1日時点で外国人も含めた14歳以下の子供の数は前年と比べて15万人も減ったそうです。

 1年で15万人というととんでもない数字です。

 また、35年連続や42年連続の低下というのもとんでもない話です。

 ましてや、まだ底に着いておらず今後も減り続ける可能性が高いのです。

 「一億総活躍社会」という言葉がその理由を表していると思います。
 
 つまり、国民の働ける人、老若男女すべての人が働かない(活躍しない)とそれぞれが生きて行けない社会なのです。

 結婚している夫婦の場合は二人とも働かないと食べていけない、生きていけないということを現しています。

 自分たちだけでもやっとなのにとても子供を作る余裕はありませんと思うでしょう。

 本当は子供が3人欲しいけど収入面を考えると2人しか無理、子供のことを考えると兄弟姉妹がいた方がいいので2人欲しいけどとても1人しか無理という夫婦もおられると思います。

 ましてや歳をとっていく自分たちの両親を病院や老人介護(福祉)施設で預かってもらえず、自宅で自分たちが看ないといけない社会に向かっているのです。
 
 両親を自宅で介護する時点で夫婦のどちらかは仕事を辞めなければいけないと思うでしょう。

 常に誰かが看てくれる病院や老人介護(福祉)施設ではないので、誰かが家に居ないと在宅介護サービスだけでは時間的、金銭的に不可能だと考えるでしょう。

 多くの若い夫婦は、二人で働いても自分たちが生活していくだけで精一杯でとても子供を産んで育てていくことは不可能であると考えるでしょう。
 
 待機児童の保育園数の問題や保育園、幼稚園無償化だけではとても解決しない問題です。

 なぜなら子供が社会人になるまでずっと金銭面の心配をしないといけないからです。

 夫婦のどちらか一方が大病を患ってもいけません。ましてや、死んでも行けません。家族が生活していけなくなるからです。
 
 がん、心筋梗塞、脳卒中、その他の大病の場合は生命保険の入院保険に加入していれば大丈夫!という問題でもありません。
 
 手術後、退院後すぐに病気になる前と同じように働けるかというとそうではないからです。

 結婚していない男性は、結婚したら家族みんなを自分の収入で養っていきたいと考える人がいるでしょう。

 自分の収入ではそれは不可能だと思うと結婚しない方がいいと思うでしょう。
 
 それが彼女を作らない若者、菜食主義と呼ばれる若者が増えた原因のような気がします。

 ただし、すべての人がそうかと言えばもちろんそうではありません。
 しっかりとした収入を得ることができる人は結婚もするでしょうし、子供も産むでしょう。

 ただ、上記に該当すると思う人が増え続けているからこそ、子供の数が減っていってるのだと思います。

 「一億総活躍社会」という言葉を例に挙げましたが、ならば安倍首相が悪いのかと言えばそうではありません。

 安倍政権以前からそういう流れにありました。民主党政権の時も同じです。
 
 政府がどういう流れで来たかと言いますと、例えば夫の税金面では以前は配偶者控除と配偶者特別控除の重複適用で76万円減額できた所得控除が現在は38万円となり、流れ的には配偶者控除も無くそうという流れにあります。
 
 以前は収入が一定額以下の子供すべてに適用された扶養控除の38万円も16歳未満の年少扶養親族は控除ができなくなりました。
 
 社会保険の面では介護保険制度ができ40歳以上の人は介護保険が徴収されるようになりました。健康保険、厚生年金の徴収額も上がり続けています。

 このように国民は知らず知らずの内に手取り額が少なくなり夫婦共働きでしか生活できないようになってきたのです。

 なお、話が長くなるのであまり触れませんが、1億人というからには高齢者もすべて含まれます。
 
 後期高齢者医療制度により75歳以上の高齢者は各人健康保険料が徴収されるようになったこと、年金受取開始年齢の先延ばしの流れ、定年制度の高齢化の流れ、厚生年金保険料徴収の高齢化、その他地方の老人サービスの削減まで含めるとその数限りがありません。

 政府は歳入、歳出のことを考えます、赤字国債のことを考えたりで政府は税金など歳入を増やすこと、医療費支出他歳出を減らすことを考えた結果、こうなっていくのでしょう。
 しかし、「一億総活躍社会」
 正に、1億人すべて活躍して働いてや!活躍して働いてどんどん税金や社会保険料を納めてや!今まで与えられきたことがこれからも与えられると思ってたらあかんで!自分たちのことは自分たちでやってや!

 あまりにも本音が見えすぎて、ストレートに言っていいの?と思ってしまいます。